【お役立ち情報】遺産分割協議

今回は相続手続きでよく登場する手続きである遺産分割協議についてお話をさせて頂きたいと思います。

目次

1、遺産分割協議とは
2、遺産分割協議・遺言との優先順位
3、遺産分割協議書の作成の仕方・記載ポイント
4、相続人全員によらない遺産分割協議
5、遺産分割協議の具体的分割方法（種類）
6、現物分割
7、換価分割
8、代償分割
9、共有分割
10、マイナスの財産について遺産分割協議ができるか
11、遺産分割協議がまとまらない場合
12、まとめ

1 遺産分割協議とは

遺産分割協議とはお亡くなりになられた方（被相続人）の相続人間において被相続人の遺産につき誰がどのようにどれだけ相続させるかを決めるために行う協議の事です。

2 遺産分割協議・遺言との優先順位

お亡くなりになられた方（被相続人）に遺言があった時どちらが優先するかですが有効であれば遺言が優先いたします。

3 遺産分割協議書の作成の仕方・記載ポイント

遺産分割協議書とは遺産分割協議した内容をそのまま書面にしたものです。相続手続きでは、遺産分割協議をした場合多くの場面で必要となる大事な書面です。作成の仕方のポイントを以下簡単にあげておきます。

①まず、文章につきましてはパソコンでも自書でも特別な制限はございません。
②お亡くなりになった方（被相続人）の本籍・死亡日・最後の住所地・氏名を記載する。
③相続人全員で協議した旨を記載する。
④財産の内容を具体的に記載する。
例えば、不動産（土地）であれば、所在　地番　地目　地積
不動産（建物）であれば、所在、家屋番号、種類、構造、床面積
銀行口座であれば　銀行名　支店名　種別　口座番号　等
⑤上記の財産につき相続人の内のだれがどれだけ相続するかを記載する。
⑥相続人全員の住所氏名を記載（出来れば住所氏名は自署が望ましいです）の上全員の捺印をします。
⑦捺印印鑑は原則指定はございませんが相続手続きする際には遺産分割協議書に実印を求められますので必ず実印で押印するようにしましょう。

4 相続人全員によらない遺産分割協議の効果は

相続人の一部の人のみで協議した遺産分割協議は基本的に無効となります。遺産分割協議は相続人全員で行う必要がございます。

5 遺産分割協議の具体的分割方法

遺産分割協議書の具体的分割方法には代表的なもので現物分割、換価分割、代償分割、共有分割の４つがございます。具体的個別に下記にご説明いたします。

6 現物分割

具体的には例えば遺産が不動産で土地が１筆あればそれを２筆に分けて（分筆登記を行い）分割してあげてから相続人間で各人が取得していく分割方法である。例えば土地を２つに分けて片方は一人の相続人が相続し、もう片方をもう一人の相続人が相続するなどが現物分割による分割方法です。

7 換価分割

遺産の不動産をお金に換えて（具体的には売却をして）各相続人に分割する方法です。

8 代償分割

例えば、１人の相続人が遺産の不動産を単独で取得する場合に他の相続人にその取得分をお金で支払う方法により分割する方法です。

9 共有分割

例えば、不動産等を「共有」で分割する方法です。あえて分割せずに、不動産全体を各相続人の割合で共有する方法です。

10 マイナスの財産について遺産分割協議ができるか

マイナスの財産（例えば借金等）について遺産分割協議が出来るかですが例外はありますが、原則は遺産分割協議の対象にはなりません。但し、債権者の承諾がある場合等認められるケースもございます。

11 遺産分割協議がまとまらない場合

遺産分割協議が相続人間でまとまらない場合は家庭裁判所で調停を行い、それでもまとまらない場合は裁判になります。事情によってなので一概には言えませんが、調停・裁判までとなると時間・経済的損失が多くなる恐れがございます。そうなる前に平和的な協議で済ませる事をお勧め致します。

12 まとめ

まとめますと
・遺産分割協議とは全員の相続人間でどのようにどれだけ相続をするか話し合う協議の事です。
・遺言は遺産分割協議より優先します。
・遺産分割協議の具体的分割方法には・現物分割・換価分割・代償分割・共有分割があります。
・遺産分割協議がまとまらないと、裁判所での決着となる可能性があります。

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